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最終更新日:2011.9.7


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平成22年度プラズマ・核融合学会賞

委員長:藤山  寛(副会長)、副委員長:小川雄一(副会長)、幹事:山崎耕造(編集委員長)、疇地 宏(企画委員長)
委嘱委員:居田克巳(核融合研)、岸本泰明(京大)、坂本慶司(原子力機構、藤澤彰英(九大)
貢献賞に対する審査委員会 委員長:小川雄一(副会長)、幹事:山崎耕造(編集委員長)、疇地 宏(企画委員長)
委嘱委員:佐藤浩之助(前副会長)、三間圀興(前副会長)

第18回論文賞

受賞者:松永 剛、武智 学、相羽信行、栗田源一、坂本宜照、小出芳彦、諫山明彦、鈴木隆博、藤田隆明、小関隆久、鎌田 裕(原子力機構)


論文題目:Rotational Stabilization of Resistive Wall Modeon JT‐60U
Plasma and Fusion Research 4, 051 (2009)

選考理由:
ITERおよび原型炉に向けて,高ベータプラズマの定常維持法の確立が急務である。特に,壁なしベータ限界値を超える高ベータプラズマの実現には,プラズマを取り囲む導体壁による安定化効果が必須であるが,実際の導体壁は有限な電気抵抗を有しているため,抵抗性壁モード(RWM)が発生する。したがって,プラズマの高ベータ化には,このRWMの安定化が課題となっている。本論文では,RWMがプラズマ回転により安定化できることを実証し,安定化に必要なプラズマ回転速度の閾値を実験的に同定した。JT-60Uでは,Co/Counter方向および垂直方向のNBIの組み合わせにより,プラズマ回転およびその分布を多彩に制御できることを利用して,RWM安定化に必要なプラズマ回転速度の閾値が,q=2面においてアルフベン速度の0.3%程度であることを発見した。これはRWM安定化に対する理論的予測値より1/10程度低い値であり,将来の核融合炉にとって明るい見通しを与えた。またRWMのモード構造が理想MHDモードと類似していることも明らかにした。以上より,本論文は,高ベータプラズマ研究において世界を先導する優れた成果であり,論文賞に値する。



第15回技術進歩賞

受賞者:吉田善章1)、小川雄一1)、森川惇二1)、齋藤晴彦1)、矢野善久1)、水牧祥一2)、戸坂泰造2) (1)東大、2)東芝)

高温超伝導コイルの開発とプラズマ実験装置への応用
Plasma Fusion Research 4, 039 (2009)

選考理由:
高温超伝導コイルを,実際に長時間安定に,0.1mm以下のきわめて高い精度で真空容器内に磁気浮上させ,トーラスプラズマを生成・閉じ込めに成功した実績は驚きに値する。無冷媒永久電流モードでの小さい電流減衰性能の実証,真空中で脱着可能なトランスファーチューブの開発,脱着可能な電極による外部電極からの直接例示方式の開発等,超伝導技術,制御技術をはじめとする多くの技術的工夫の集大成である。すでに,このプラズマ体系を利用した優れた研究成果が申請者のグループで出始めており,その有用性が示されている。今後,プラズマ・核融合研究のみならず,物理,工学の幅広い分野に刺激と可能性を与えるものと期待される。間違いなく「技術進歩賞」にふさわしい,優れた成果である。



第15回技術進歩賞

受賞者:井戸 毅,清水昭博,西浦正樹,西澤章光,濱田泰司(核融合研)

大型ヘリカル装置における重イオンビームプローブの開発
#第18回国際土岐コンファレンス口頭発表 他

選考理由:
磁場閉じ込め装置での電場およびその揺動の解明は,核融合研究はもとより,プラズマ物理学上もきわめて重要な課題である。本研究は,世界最大規模でかつ高精度の6MeVのHIBPを従来にないタンデム加速器を導入し,独自の高電圧制御機器を開発して実用化した点で技術的に高く評価できる。これにより,ヘリカル装置での電位分布,電位揺動の計測が可能となり,高エネルギー粒子駆動のアルフベン固有モードや測地線音響モードの周波数スペクトルの計測も可能となっている。以上の理由から,本研究は技術進歩賞に値すると判断した。



第15回学術奨励賞

受賞者:梶田 信(名大)


対象となる主な成果:ヘリウム照射による繊維状ナノタングステンの形成と,損傷誘起単極アーキンク
# Plasma and Fusion Research 4 004 (2009)

選考理由:
梶田信氏は,ITERのダイバータ材として想定されているタングステンのヘリウム照射による形状変化や熱負荷応答特性を,実験およびシミュレーションにより体系的に明らかにしている。特に,繊維ナノ構造が形成されると,熱伝導率が数桁さがり,間欠的な熱負荷にきわめて弱いことを明らかにし,プラズマ対向材料の選定に関して重要な知見を与えている。梶田氏は今後の核融合研究を担う有為な若手研究者であり,対象論文を含めて,これまで着実な研究を進展させてきている。以上の理由から,同氏の業績は学術奨励賞に値すると判断した。



第15回学術奨励賞

受賞者:宇佐見俊介(核融合研)


対象となる主な成果:MHD-PIC 連結手法を用いた磁気リコネクションの多階層シミュレーション
# Plasma and Fusion Research 4, 049 (2009)

選考理由:
近年、多くの科学分野において、時空間スケールの異なった物理過程を統一的に解くことによって複雑現象の本質に迫るマルチスケールシミュレーション研究に期待が寄せられており、それを実現するための計算手法の開発が世界的に競われている。本応募者は、核融合プラズマの崩壊現象や、太陽フレアーや地球磁気圏サブストームなどのプラズマ現象において本質的な役割を果たす磁気リコネクションに対して、マクロな電磁流体効果で支配されるMHD領域とミクロな運動論効果で支配される電流層の領域を、異なったアルゴリズムのMHDコードと粒子コードを組み合わせ、それらを自己無撞着に連結することによってシミュレーションすることができる数値手法を考案・開発し、その有用性を示すことに成功した。本研究は、学術的応用の広い磁気リコネクション過程を第一原理的な手法に基づいて厳密に再現した物理学的意義と、マルチスケールシミュレーションを実現する数値的な方法論を示した計算科学的意義の両面から評価される研究として位置づけられ、プラズマ物理現象の重要性を、分野を越えて示した意義は大きい。これらのことから、本研究成果は学術奨励賞に値すると判断した。

第4回貢献賞

受賞者:プラズマ・核融合学会歴代の常務理事 市川芳彦,大林治夫,松浦清剛,川村孝弌,大久保邦三,上村鉄雄, 岡村昇一

選考理由:
本学会創設時からの歴代の常務理事は,本学会の各種委員会の運営や調整,事務の整備・移転や効率化,会員サービスの向上など,本学会の運営に関わるすべての案件に対して,強い責任感と細心の配慮をもって対応してきた。このような常務理事の献身的かつ精力的な活動が,今日の学会活動の発展と円滑な運営の基盤となっている。従って,歴代の常務理事の功績は,学会に対する顕著な貢献として,貢献賞に十分値すると判断した。

第4回貢献賞

受賞者:プラズママップ制作委員会:藤山 寛(長崎大),比村治彦(京都工繊大),北野勝久(阪大),春日井敦(原子力機 構),村上 泉(核融合研),豊田浩孝(名大),安藤 晃(東北大),水野 彰(豊橋技科大)

選考理由:
平成21年度の文部科学省科学技術週間の一環として活動したプラズママップ制作委員会は,約半年間という短期間の間に,企画・立案および制作作業をボランティア活動として精力的に行い,沢山の魅力・迫力あるプラズマの写真や絵で構成されたプラズママップを作成した。物質の第四の状態であるプラズマの理解増進に大変有用な本マップは,プラズマ・核融合の知識の普及・啓発活動への多大の貢献が期待できる。以上により,本プラズママップ制作にボランティアとして参画した制作委員会メンバーは,貢献賞として十分に値すると判断した。




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