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概 要: 
少人数の高校生のグループ (3-5名) に対して,京都大学,核融合科学研究所にて,研究者および大学院生の指導のもと,プラズマに関する様々なテーマの実習を行い,プラズマに関する理解を深めます.実習内容は,高校生シンポジウムで発表していただきます.
  
実習の流れ: 
(1)	参加申し込み(申し込みWebサイト*申込用紙) 
(2)	事前打ち合わせ・講義 
(3)	実習(1日程度)(7月−8月) 
(4)	事後打合せ(データ解析,発表準備)(8月−9月) 
(5)	高校生シンポジウムにて発表(9月15日)
  
実習テーマ:
  
(1) プラズマの電気計測(実施場所:核融合科学研究所) 
HYPER-Iという実験装置に計測用の電極をいれてプラズマの電気的な性質を調べます.また,プラズマがつくる電圧を利用して模型の電車を走らせる実験を行います.
  
(2) プラズマと光(実施場所:核融合科学研究所) 
様々な元素ガスの発光スペクトルを分光器で観察し,原子の構造やプラズマ中での発光のメカニズム,および光の回折と分光の仕組みについて学びます.
  
(3) 計算機シミュレーションで見るプラズマの世界(実施場所:京都大学・吉田キャンパス [京都市左京区]) 
核融合プラズマの研究では,さまざまな方法の計算機シミュレーションが,プラズマ中の現象の機構解明と特性予測に用いられています.このテーマでは,プラズマ粒子シミュレーションの原理を説明し,波と粒子の相互作用や高速粒子の閉じ込め等のシミュレーションを行います.
  
(4) 高速CCDカメラで見た実験室プラズマの世界(実施場所:京都大学・吉田キャンパス [京都市左京区]) 
オーロラに見られるように,プラズマは幻想的な光を発します.このテーマでは,プラズマからの発光のメカニズム,電離の素過程について説明し,真空容器の中で作ったプラズマから放射される可視光を高速CCDカメラでとらえてプラズマの動きを観察します.
  
(5) プラズマによる薄膜形成実験(実施場所:京都大学・桂キャンパス [京都市西京区]) 
携帯電話,パソコン,太陽電池などに使われている半導体等の薄い膜 (薄膜) はプラズマで生成することができます.スパッタ装置と呼ばれるプラズマを用いた成膜装置で実際に半導体薄膜を形成し,光学的評価を通してその特性を調べます.
  
(6) プラズマ中に発生する乱流や流れ(実施場所:京都大学・宇治キャンパス [京都府宇治市]) 
核融合を目指した数億度の超高温プラズマでは,地球の大気と同じように,大小様々なスケールの「乱流」やジェット気流のような「流れ」が発生します.このテーマでは,このようなプラズマ中に発生する乱流や流れを計算機上で再現するシミュレーションの実習を行い,その発生メカニズムなどについて考えます.
  
(7) 大気中のプラズマの振る舞い 実施場所:京都大学・宇治キャンパス [京都府宇治市]) 
プラズマは身近に存在します.自然現象である雷,炎,オーロラもプラズマの一種です.そこで大型プラズマボール,プラズマスピーカー,Jacobs ladderの放電を通して大気中のプラズマを観察します.多様な放電の形態を調べることによってプラズマ中の発光メカニズムや放電の仕組みを探究します.
  
(8) 宇宙航行のためのプラズマ推進(実施場所:京都大学・宇治キャンパス [京都府宇治市]) 
2年前地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」が搭載していたように,近年,プラズマを用いた推進機が宇宙機の宇宙航行や姿勢制御に用いられてきています.このテーマでは,プラズマ推進の原理を説明し,実験を通して,プラズマが推力 (物を動かす力) を生じるメカニズムについて考えます.
  
実習申込方法: 
実習の希望者は,Webサイト、または申込用紙で、7月31日 (火) までにお申し込み下さい。申込書の送付は, E-Mail: ono@kuaero.kyoto-u.ac.jpもしくは FAX: 075-753-5980 までお願いします。 
※なお7月末以降の実習申し込みについては,下記までお問い合わせください。 
京都大学工学研究科 斧 高一 
E-Mail: ono@kuaero.kyoto-u.ac.jp 
Tel: 075-753-5793  (不在の場合は Tel: 075-753-5803/本多) 
 
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