事前アンケート

42. ITER/BA,原型炉,本アンケート,その他核融合全般,等について,自由にご意見をお願いします。


  • 下村博士はISFNT-7において,PFCがITERにとって最も不安の要素であると主張したが,日本の核融合研究では,プラズマ対向材料の研究開発にもっと力を入れるべきである。
  • 核融合分野の研究開発に企業が参加(参入)するメリットのある企画立案が必要
  • いろんな意味で転換期です。将来の具体的な展望をきっちりと共有できるコミュニティーにしたいです。連合講演会では,日本の戦略が具体的に議論されて,コミュニティーの総意として示されると期待しています。
  • 核融合プラズマ研究はITERを中心にして進められている一方,大学(特にセンターではない一研究室)における核融合プラズマ研究は非常に厳しい状況になっている。学生の教育に必要という意見は分かるが,小型基礎実験装置からITERへのジャンプはやはり大きい。JT-60,LHDという国内の装置で少なくとも実験経験を積むということが必要ではないか。学会のシンポジウムなどにおいても議論が重ねられているが,実際に学生であった者としてはどれも具体案に欠けているように思えた。学生研究支援プログラム的なものを学会で提案するのはいかがでしょうか。現状では研究者同士のコネ(もしくは考え方)で学生の大型装置の派遣が決められており,少なくとも学生が研究室を選択する時点ではその情報はない。
  • 核融合研究(組織,意識)が硬直化しているのが最大の問題。せっかくのITER-BAも,原研悲願のJT-60超伝導化(20年前のアイデア!)で終わり,無駄使いになりそう。LHD建設前のような,激しい議論がなぜ起こらないのだろうか?
  • 真剣に学問を行うことが何よりも大事政治色一辺倒の核融合学会の運営を真剣に見直すべき
  • 核融合の研究開発に関する提言をまとめるにあたり,最近の多くの同種のものは,単なる不平・不満を寄せ集めたものになっている。不平不満をいうのではなく,積極的な提案,提言を行ってほしい。
  • 各自の立場を超えて核融合の実現という視点にたった率直な議論を続けていくことが重要。組織の間(国内だけでなく国外も含める)の人事交流を活性化すべし。博士課程学生の就職先が現在深刻な問題。核融合にとらわれず核融合研究で培った知識を民間や他の分野でも生かせる事を前提にした教育指導が必要。ポストは限られており現実的には全ての博士課程学生が核融合分野で就職することは不可能。現実的な議論が必要。民間に学位取得者の待遇(ポスト,給与など)の改善を期待する。
  • このアンケートの集計結果をウェブサイトに公開してください。
  • 一般に対する現状の説明が不足していると感じています。どのような議題が現在議論されているのかなど,途中経過についても十分に報告する義務があるのではないでしょうか。税金を使用している限り。
  • 核融合の進展は時間がかかりすぎる。民営化による早急の発電の実現が望ましい。
  • もっと足元を見据えて計画を進めるべき。ITERにしろあまりに理想論ばかり先行し,現実的な設計も不十分で,建設コストも現実との乖離が甚だしい。学会関係者もITERを建設するのは,誰かが宜しくどこかで造ってくれて,それを後は利用すればよいという当事者意識のない楽観的なムードに驚愕する。日本では甘ったるい国際協調論ばかり強調され,国際プロジェクトの厳しい現実を知らなさ過ぎる。このまま建設が行き詰まるれば,EDA等の研究成果のみが中国や韓国へ殆どただ同然で流れ,いったいこれまで我々は何をしてきたのか分からない。どうか現実を見据え足元を見据えた対応をお願いします。
  • よく似た研究会や委員会があり,ロードマップもいろいろ出されている。新現象やパラメータの更新はITERや60SAなど,新しい装置が稼働するまで見込めない状態にあって,そういった研究の現場とは離れた議論ばかりがされているのは興ざめである。コミュニティー内で,自分たちの本分であるところの学問や技術の議論がもっと活性化されることを望む。
  • もう少し短いアンケートになりませんか?
  • アンケート結果を利用できる形で提供いただきたい。データは同じでも分析の仕方によって効果が違ってくる。
  • 随分いろいろとオープンになって来て良い傾向だと思う。とにかく広報に関しては,都合の悪いことを隠さないということが大事だろう。何が出来て,何が出来ないか,核融合研究についてじっくり考え直す良い機会かと思う。
  • 前述してありますが,人はそれぞれの家族や生活基盤の事を最優先に考えているので,それらを考慮した制度を構築することが肝要かと思われる。特に若手研究者はそれぞれの生活基盤を築きながら研究を行っており,公私ともに大切な時期でその辺のケアが必要である。安定した生活基盤や家族のバックアップがあってこそ,良い研究成果が得られるのではないでしょうか。
  • 大学院生の博士課程卒業後の就職が大変厳しい状況にあって問題だと考えている。特に,核融合は実用までまだ何年かあるため,企業の方に適当な受け皿がないことも問題を大きくしている。一方で,ITERやBAのための人が今のままでは,おそらく全然足りないだろうという問題もあるような気がする。なんとかならないでしょうか?。
  • トカマクによるITER/BA,原型炉という核融合の路線は納税者や社会に貢献するものではなく,研究者集団の生存のために国際的に企画されたものである。 本当に必要なものは何かを TAREGET からさかのぼって検討する必要がある。
  • 勝手なことをいろいろ記載しましたが,ご容赦下さい。有意義なシンポジウムになることを祈念致します。いろいろなご苦労に感謝申し上げます。
  • 現状で大学の新入生にITERの名前を知っている者は非常に少ない。広報不足である。また実用性を強調するより,普遍的な物理現象として,他分野でも話題になるような新しい物理の方法・概念を打ち出さないと,特殊な技術的興味にしかならず,物理学(大学)からは離れていってしまう。今はその岐路にあると思う。
  • 過去の経緯にとらわれず,本気で核融合エネルギーの実現に取り組んで欲しい.現状は,国内でも縄張り争いのような様子が(私には)見受けられる.また,ITER実験の参加時期を選り好みする前に,設計・建設時からITERに深く関わって,日本が目指す実験ができるように,ITERで指導的な役割を果たしていく必要があると思う.
  • 日本の核融合開発は本当にITERなど磁場核融合だけでよいのか?ITER計画に失敗した場合のシナリオも検討しておく必要があるように思う。また,核融合による発電を行うためには炉心プラズマ以上に周辺技術が重要であると思われるが,今の日本の核融合研究はプラズマ研究に集中しすぎているような気がする。しかもその割には炉心プラズマの研究が飛躍的に発展している印象がない。装置さえできれば研究が発展するという安易な考えになっていないかどうか点検する必要がある。
  • どの分野もそうかもしれないが,就職や生活の安定性があまりよくないと思うので,若手の立場からして,そういうものが保障されていないこの分野に飛び込んでいきにくい。もっと若手が飛び込んでいきやすく活躍しやすい場が増えていって欲しい。
  • (1)核融合研究はこれまで約1兆円の国家予算を使ってきた。今後も原型炉まで視野に入れると同程度の金が必要であろう。そこに向けて1歩踏み出す前に,核融合炉の実用化見通しについて,他分野の研究者・技術者,科学技術史研究者,社会科学者なども参加したアセスメントをきちんとやるべき時期である。核融合分野の関係者にとってそれは納税者に対する責務であろう。(2)実用化の話では,将来の技術進歩に期待してということがよく言われるが,出来ない事を証明することは出来ないということに寄りかかって判断を先延ばしすることは,核融合研究の過去の歴史を見れば今後は許されないと思う。(3)本アンケートでもITERが完成した後の実験への参加,という点に重点が置かれているように思える。しかしITERは本当に技術的に出来るのか,出来たとしても安定に運転出来るのか,など課題は多く,まずは建設に最大の資源を投入する必要があるのではないか。
  • ITER/BAの実施が透明性を維持して行われることを期待する。
  • 核融合の利点は,本や言葉ではよく語られている。核融合の宣伝のために,将来の核融合エネルギー利用が実現している世界を予測したイメージや映像によって広報活動を行ってみると,社会にとって魅力があるように映るのでは。
  • アンケート自体がITER建設に賛成というスタンスになっていて,このアンケートの結果を使うには気をつけないといけないかと思いますね。アンケートの質問に「は必須です」とか「思います」となどとあなた方の意見を並び立てて,アンケートに答えさせるというには非常にナンセンスだと思います。これだとアンケートじゃなくて,誘導質問じゃないですか。あと,従来の核融合研究者と同じ用にネガティブ意見を受け入れるようなスタンスを持っていないかと見受けられます。
  • 真の意味での自己点火,即ちQ
  • 建設地が決まって日欧のお互いの取り分が決まったと考えられているためか,以前と比較して交渉姿勢が弱腰になっているように思われる。カダラッシュでの待遇の状態(教育機会や住環境等)やBAの交渉状況(EUが納入するコイルについて,早くも納期に不安があると側聞する)を見るに,今後も色々な場面(プラズマ実験計画をどのように主導するか,とか,建設のための規制・規格・基準をどうするか,とか)で妥協させられて行くのではないか,というのが非常に不安。
  • 国際的にはITERの推進が認められた今,国内では実用炉を視野に入れた時に残されている多くの課題を整理し,それらにいかに取り組んでいくかについて長期戦略を研究機関と大学で共有することが必要である。
  • このアンケートの企画自体は,大変有意義かつ真摯なものであることを認識し,実施されている方々,さらには連合講演会の企画運営に当たっておられる方々にも敬意と感謝を感じております。しかしながら,設問への回答でも書きましたが,核融合研究が自動的に有意義かつ必要であるような認識がもしも講演者に見られる様なことがあれば,少なくとも他の分野に比べて巨額の資金の投入は正当化されないし,社会の共感を得ることもないでしょう。それだけの資金をすでに使ってしまっている事実を考えれば,その中のいくらかは,核融合やエネルギー,社会や環境に対するより深い考察に費やされていなければならなかった(のに現実にはやっていない),という事実を考えると恐ろしくもあります。この連合講演会を通じて,「核融合のおかげで,世の中はこんなによくなるんだ」「核融合はこんなことをしてくれるんだ」というイメージが参加者に少しでも与えられることを期待しますが,そこまでは望まないまでも,研究課題と研究者の参加形態,キャリアといった研究者による研究者のためだけの議論に終始しないことを願っております。
  • 日本は本気で核融合炉を作ろうとしているのか大いに疑問である.国際共同に頼らず,一国でもいいから核融合炉を作ろうという気概が研究者にかけている.核融合といいながら核融合炉に興味のない人が多い.
  • 今後の動きが若手研究者にとって追い風となることを,博士課程の学生として期待しています。
  • ITERサイトの候補地の選定や,建設地の決定,BA施設の建設などに関しては,政治的理由が強く働いたというのが,1研究者から見た感想です。決定したことを覆すのは無理だとしても,今後は,実際に研究する側の事を考えた,体制の整備を行う必要があると考えます。ITERはかなり長期の研究開発だと思うので,立ち上げ初期には世間から脚光を浴びるとしても,数年すれば新規性やインパクトは薄れてくると思います。世の中の支援も無くなり,マンネリ化したように見られる時期においても,高い研究アクティビティーを維持するための組織・体制の整備が求められると思います。
  • DD反応は,DT反応を実現させる技術の延長上で,実現可能なのか? 炉工学をやっていてなんだが,燃料を作りながらでないと使えない炉なんてものは,工学的に複雑すぎて,現実的とは思えない。少なくとも長期にわたって使われる技術とは思えない。プラズマ研究あっての炉工学だが,DTをやるかぎりは,「炉工学あってのプラズマ燃焼」ともいえる。今のようにプラズマ研究に力を入れるならば,是非ともDD反応へのロードマップを示してもらいたい。
  • ITERの実現までにかなりの時間がかかってしまい,企業内ではJT−60建設に携わった方々が引退され,本当に作れる人材がいなくなってしまいました。机上の議論だけではなく,核融合炉を作れる人たちの育成を考えていかなければ,と思います。
  • 核融合関係の研究費で,六ケ所村に遠隔実験設備を始めとする無駄な施設群を造ることを緊急に停止し,再検討して頂きたい。核融合発電の実現に必要な研究開発費を最小にするという意識を持っていたなら,このような予算の使い方をするはずが無い。明らかに国民に対する裏切りである。
  • 1.慣性方式と,他のトーラス型装置との共通性に関する質問に関し,どのような意味があるのか良く分からない.慣性核融合の実験が,現状でITERを意識したものであるならば,それを講演会でも報告すべきだと思うが,もしそうでないのであれば,独立した話としてそもそも考えるべきではないでしょうか.2.こういったアンケートがどのように役立つのか(任意団体の意見集めなのか,何かITERに関連する機関,委員会などへ報告されるものなのか)も明記していただきたいと思います.ここでいうなら,連合講演会での討論が,その後どういう取り扱いになるのかということです.そうでないと,類似のアンケートばかりが横行することになります.3.現状でもJAEA以外の職員が,間接的にITERへアプローチする手段はいくつもありますし,私自身それに携わっています.しかし,他方で日本国内でのその認知度が大変低く(同じジャンルで研究している一握りの方が正しく認知しているだけ),ITERやBAへの直接関与ばかりに目が集中していると感じています.結果的にITERのデザイン,運転,計測器の決定に関わる方法は(多くの方が思っているよりも)身の回りに多くありますが,多くの人はそれに手を出ないのです(理由は知りませんが).そんなことで,いきなりITERに関連した研究に飛びつくことができるのでしょうか?
  • BAの原型炉設計センターというのは聞こえがよいが,ほとんど内容が決まっていないように見えます。内容のある計画にしないと核融合コミュニティーの信用を落とす結果になりかねません。
  • まず発電実証。実現性が示されれば,社会の理解も得られる。
  • 意見とかではないのですが,途中までしか答えていないものを,これより前に,二度ほど送信してしまいました。申し訳ありません。
  • 一日も早く,定常的な発電が可能であるという技術的見通しをつけることが肝要だと思います。最初は経済性や環境負荷について多少難があっても,改善の可能性をきちんと示せれば,社会は一応の評価をしてくれると思います。
  • 国際協力は,重要ですが,当事者は,ほんとうにしんどいと思います。
  • ITER,BAとプロジェクト等は具体化しているが,採用が増えたという話は聞かない。これでは若手に希望が持てるはずもなく,いい人材も核融合業界に入ってこない。定期的採用の確保は業界のアクティビティ維持の大前提。
  • ITERに関しては,日本として戦略的に実験研究体制を早期に立ち上げる必要があると思います。
  • 予算のかかるプロジェクトなので,本気で核融合炉の実現を目指した人間以外は軽々しく関わるべきではないと思う.ただ単に研究者が食いつなぐための研究にしないことが必要ではないだろうか.
  • 広範な設問のある本アンケートの作成は大変手間がかかったことと思います。アンケート結果の報告を楽しみにさせていただきます。
  • ITER/BAに対して,研究所や大学が参加できるような組織的な運営が必要である。特に大学間も含む各組織間の連携を取れるようなシステムや支援(旅費・消耗品費程度)体制の構築が必要と思われる。
  • 経済性が見通せる発電炉(原型炉)をできるだけ早期に実証することが核融合の最重要課題であると思っている。
  • 核融合装置は実験炉段階で単機が高額であるため,いかにも巨費を垂れ流すプロジェクトのように捉えられている一般認識がある。しかし所謂原子力分野では,一般の目の届かない巨額の資金が流れていることは知られていない。実用化段階の原子力と同様なことをすべきではないが,正当な資金の要求,内容説明は十分行う必要がある。最近の核融合関係者は経済原理に過度に侵されてこの点で萎縮しているのではないだろうか。
  • 核融合は,経験数が少ないため,モノ造りの分野が比較的弱い。弱い分は他分野,例えば原子力などの経験をアテにしても良いと思うが,結局自分で経験しないと解らない部分は多い。設計,製作技術をいち早く確立し,(GAやGEが原子炉のひな形を確立し,売っているように)核融合装置のモデルパターンとして世界に売り出すようなことを戦略として持つ必要があるのではないか?(実用でないと意味が無いので,取り敢えず発電装置だとは思うが。)
  • 人口減少時代において社会システムがどうあるべきかとの関連に置いて,核融合エネルギー開発の必要性をもう一度議論する必要があるのではないでしょうか?
  • 日本の核融合分野は,諸外国や国内他分野と違い,なぜか効率的に研究を進める技術の研究に対する認識が低い.例えば,現在の核融合研究,特に実験は,紙と鉛筆ではなくコンピュータによって全て進められているのに,コンピュータ技術を実際の核融合実験に結びつける層が極めて薄い.PPPLやJET,あるいはKEKでも数十人規模の情報処理センターが存在し,実験をサポートしている. このような状況で,ITER実験開始前のたった2年で六ヶ所村にITER遠隔実験センターを作れると考えるのは,コンピュータ・ネットワーク技術に対する認識不足である. 特に大型の核融合装置は複合技術の粋であり,まずプラズマ物理ありき,ではプロジェクト全体の足元をすくわれかねない.基盤技術の整備と積み上げ,同人材の育成・確保をすぐに始めないと,欧米の層(すそ野?)の厚さに太刀打ちできず,後塵を拝することになろうかと大変憂慮しています.
  • Jリーグの優れた選手がヨーロッパリーグを目指して行くように,若い人たちが,大志をもって海外へ(ITER,フランスへ)次々と船出することを希望する。

Lastupdate is 2007.3.16
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