事前アンケート

40. ITER/BAへの参加をその後のキャリアパスとして生かすことのできるような制度・運用,評価方法等についてご自由にご記入下さい。


  • 大学・指導教官のネームバリューによる門前払いを防ぐためにも,門戸は広くし,試用期間を設けたらよい。または,修士課程の学生に研究を体験してもらうなどする。
  • ITERのポジションはキャリアパスとしての流動的なポジションしか用意されていないのか?また,それでよいのか?ずっと働きたいと思えるようにする必要はないのか?
  • エネルギー機構,核融合研等の研究機関において人事公募する場合,ある割合をITER/BAへの参加を条件とするなどの具体的な支援策が必要。
  • 特別措置が必要でしょうか?本当に魅力あるプロジェクトになれば,みんな積極的に参加するでしょう。
  • ITER/BAからの帰還者用の時限ポストの創設に関しては,可能性があるのは原子力機構,核融合研といった核融合研究を中心にしている研究機関で,大学では困難と言わざるをえない。社会的にそして他の研究分野からもITER/BAで培った研究能力・開発技術が評価されるようになれば,次のポストの可能性が増える。これは現状のPD研究員の就職問題にも通じる。
  • Q40の前の文章で問題点も解決法も充分尽くされている。
  • 奨学金の免除もしくは延長可能にする論文をかける仕事内容にすることを強く心がける
  • 特にITER/BAの派遣者のための特別な制度を設ける必要はない。ITER/BAにおいて評価に値する業績を上げた方には現行の制度においても,それなりの待遇が用意されるものと考えられる。また,ITER/BAにおける業績が評価に値しない場合において,それらの派遣者を救済する必要はない。 ITER/BA派遣後の地位が保証されていなければ,積極的な参加ができないと考えているのであれば,ITER/BAの派遣者となるべきではない。
  • 現在のヨーロッパにおけるJETへの参加形態が参考となる。各所属機関に所属した状態で一定期間ITERに出向する形が現実的。ITER参加者は出向終了後,ITERと各大学,研究機関の間の学術交流(共同研究,共同開発のとりまとめなど)に寄与することを義務とする。
  • 帰還者のためのポスト創設や,大学・研究機関の常勤ポストの増設は,当然行われるべきであると考えていますが,その前に,ITER/BAへの参加の具体的な形態がはっきりしていない現段階では,若手研究者としては,ITER/BAのポスト自体,自分のキャリアパスになり得るのか,非常に掴みにくい感があります。
  • 残念ながら教育機関が第一目的たる大学では,参加をキャリアパスとして生かすことは難しいと思います。一方,研究者としては,ぜひ評価をするコミュニティの創成が必要で,コミュニティがどれだけポストを用意できるかにかかっているかと思います。また,企業としては,はっきりいって経験を生かすということは難しいかと思われます。
  • 日本学術振興会の海外派遣型のPDの受け入れ先としてITERを,国内受け入れ先としてBA関連部局を含めてもらう。若手の雇用を確保するために,PDとしてITER/BAに短期派遣された研究者が,その後続けて長期派遣に採用されるといったことが容認されるようなことが必要であると思われる。
  • 具体的な情報が乏しく何を言ったらいいか解らない。国際的な情報に近い人は,せめて海外ではどんな動きがあるのか紹介して下さったらどうか。
  • 大学法人がその大学の教官をITER/BAへ送り込むことが誇りとなるような仕掛けの創出。
  • 建設期,実験期において,研究者,技術者を,どの程度,どのような分野で採用する予定なのか不明なのでよくわからない。特に建設期にP.Dを受け入れた場合,Rキャリアパスは難しい場合があると考えられるが,この時期にP.Dを受け入れないと,若手研究者の継続が難しくなる。特にITERでP.Dや短期に採用される人材が実際にやる仕事が,論文に繋がるR&D的なものなのか,建設業務なのか不透明であると感じている。
  • 特に思いつきません。
  • 学術他分野および企業のとの人事交流を拡大する必要がある。核融合に特化したアカデミックポストを増やすことはむずかしい。
  • 大きなチームの1員として参加することになると思うので,本人もその中での自身の役割についてよく自覚すべきだが,上司によるいわば勤務評定を国内に戻る場合の業績の1部として認める評価方法について検討する必要があるか?
  • この質問自体がおかしい。ITER/BAへの参加は研究者として立派なキャリアパスであり,評価できないと考える理由がわからない。核融合研究にとってITER/BAは何?と聞きたくなってしまう。このような質問は,他の分野の研究者から笑われてもおかしくない。しかし,これが問題となるような動きがあるのか?それのほうが興味がある。
  • 核融合研究という限られた装置でしか研究できず,人員も限られた分野に若手を送る事を積極的に勧める事は難しい。研究内容を,他の分野の一つの発展分野としての視点から構成し直し,核融合以外にも活躍できる事を示す努力が望まれる。例えば,核融合の超電導磁石に興味を持ったものは,物性物理を始め核融合から離れていく。関連分野の幅広いサポート体制が,核融合の人材育成につながると思われる。また,物理的にも普遍性のある解説書,位置づけが欲しい。
  • 派遣者は基本的に公募で選考することが,ITER/BA参加を実績と認めるために重要であると思う。派遣の前に,帰還後の受け入れ予定先が確保できるような制度があるとよい。
  • 常識的に考えて,キャリアパスとして生かせるはずであるが,仕事の内容によっては目に見える成果を残せない可能性もある。そのため,期限付きの研究者は短期的かつ唯我的な成果を求める人が多くなることは仕方ないが,更新可能なポストに従事している研究者はじっくりと研究して欲しい。
  • まずはITERに参加して納得できる研究が可能な体制が必要である。その後,その実績を評価できる人間の育成が必要である。すなわち,現状の教授,所長等という肩書きによる評価体制からの脱却が重要である。次にポストの流動化を行っても総数が変化するわけではないので,戦略に合わせてある割合のポストに対する研究内容を変更可能にするなど,身分を危うくするのではなく,研究活動を柔軟にすることがよいと考える。
  • ITERへの参加は調達などの実地業務が主となるので,そのような業務の意義を理解して参加することが重要。そのキャリアをどう評価するかは,評価する主体の組織が自身の存在意義に従って決めるべきことで,「−−−するべき」と一般論ではきめられない。どのように制度を作ってもキャリアの本質とそれによる個々人の能力は同じ。
  • ITER/BAでよい仕事ができれば,認められるはずなので,特別扱いする必要はないと考える。道筋も必要だが,むしろ,道筋に沿った動きしかでてこないなど,弊害の方が大きいのではないか?書かれているように,第一義の重要性,ITER/BA計画そのものの魅力を増すことが何よりも重要だと考える。
  • キャリアになるかどうかは制度うんぬんではなくてそこでの仕事次第だと思います。だが,恐らく建設期間はキャリアとなる仕事はあまりできないかと。
  • ITERへの参加者による定期的な国内研究報告会を実施し,厳密な審査に基づく表彰システムを確立する。量産されるであろうITER研究者の中から,優秀な者を区別することが重要であり,また優秀者にはそれなりの評価を与えることでその後のキャリアパスを有利に運べるようにする。競争原理を導入することで全体のレベルを底上げし,ITER研究者全体の評価を上げることは,表彰されなかったITER研究者にとっても間接的な利があるはずである。
  • ITERはプロジェクト指向であるため,学術論文よりも内部レポートの発表機会が多くなると思われるが,このような内部レポートを学術論文と同等に扱ってもらえれば,ITERにおける経験を帰国後に生かしやすいのではないかと考える。
  • 帰還者用の時限ポスト(5年程度)を創設しても,若い研究者にとって魅力はないと考えられます.時限切れに近い時期は研究用装置の整備が進み,研究の成果がでやすい時期であるのに,その時期を次のポスト探しに使わなければいけない非効率さがあります.むしろ,帰還後,1,2年は働かなくても過ごせる程度の蓄えができる給料体系にする方が望ましいと考えられます.優秀な方であればその間に次のポストは見つけられると思いますし,若手研究者にとってITER/BAの参加は能力を高く評価してくれる活動先であるとの考えが広がると思います.「衣食たれば則ち栄辱をしる.」でキャリアパスは考えていただければ自ずと魅力的な制度となると思います.
  • 問題ではあるが,すべての研究者キャリアに共通の問題なのでは?他の基礎分野の研究者,文系研究者が恵まれているとでも?受け皿となるべき大学等の研究者ポストも任期制が常識となりつつあるが,それで魅力は増しているか?
  • 確かに,ITER/BAに参加していたというだけで帰還時に就職しやすいのであれば,参加しやすい。しかし,時限ポストにどんどん人がたまっていったりしないだろうか?
  • ITER/BA参加者に対してある程度帰還後のポストを優先的にまわすことが望ましい。これには官と学の協力が必要である。また,ITER建設に携わる企業でも原型炉に向けての研究開発を行うために中途採用で雇うように産官が連携も必要と考えられる。
  • 具体案はないが,是非とも制度を確立すべきである。
  • 核融合の領域全体の資金も含めたアクティビティを大きくして,受け皿を広げる。
  • ITER/BAに参加後,任期を設けてでも良いですから,大学・研究機関・企業内で人材交流を始めたらどうでしょうか? 物作りを大学の人に体験していただき,企業研究者も大学等でプラズマを研究することが,核融合炉を作るためには必要かもしれません。
  • ITER/BAへの参加は,大きな国際組織・プロジェクトの中で働くという点で,通常の大学の研究室では得難い経験であるので,そのことが広く知られるように,ITER/BAについて宣伝することが重要と思われます。
  • すべてが時限ポストばかりでは魅力がないでしょう。パーマネントポストもある程度用意されているべきであると思います。
  • 設問自体に疑問を感じる。キャリアパスだけを取り上げて論じることはできない。まず,ITER/BA後に日本の核融合研究路線をどのように展開していくのかという議論を行うべきである。そしてその方針を確立した上で,それに基づくキャリアパスを構築すべきである。どのような研究体制にするのかを確立していないうちにキャリアパスの制度の整備だけ議論するのは,あまりにも無計画で無責任な印象を受ける。
  • キャリアパスとして生かすのは難しい。常勤ポストとして,将来を保障すべき。
  • 核融合研究以外の他分野研究者の理解および広い社会的認証を得ることが重要と考える。そのためには核融合を含むいくつかの長期にわたる研究・人材育成が求められる未来志向の分野を横断的に束ねる人材育成支援機構の創設が望まれる。
  • 全く思いつかない
  • JAEA,NIFS,大学(特にNIFS双方向共同研究参加機関)の人事公募の際,ITER/BAからの帰還者を優先し,これを明記する。帰還者用の時限ポストの創設は,一時しのぎという感が強く,あまり魅力的とは思えません。
  • 学術振興会PD,助手採用等,35才制限の撤廃,企業への中途採用のプロモーション.
  • いいアイディアですが,「評価方法」が難しいと思います。論文の数だけでなく,もっと雑用的な仕事も評価しないと,うまくいかないと思います。
  • ITER/BAの建設に参加し貢献した若手は基本的にそのままITER/BAで採用されることが必須。使い捨てでは誰も参加しない。
  • 帰還者用のポストの確保
  • 長期,短期滞在研究者のバランスのとれた派遣体制
  • 実用的な知識・技術が習得できるのであれば,それを全面的に宣伝して企業に売り込めると思う.アカポスにつくには,ITER参加によりどれほど物理学など学術的教養が身に付いているかを宣伝すればよい.
  • ITERをキャリアパスとして捉えるためには,大学や研究機構ですでにかなり評価の定まった研究者が多数参画している必要がある.そうでないと,他の若手研究者の評価に悪影響が出ると思う.というのも,そうでなければ単なる余剰博士の一時雇用場所と捉えられてしまい,そこに行ったら最後だ,という印象を持たれかねないからである.ITERを経た次の雇用を考えるならば,その仕組みそのものに威厳や価値を持たせる必要がある.
  • 社会一般のキャリアパスでなく,ITER用に特別化した制度が本当にできるか?基本的には,その時点での社会一般なり大学・研究機関なりのキャリアパスに合致するような参加の仕方を参加者本人が選択するのが賢明であろう。
  • 参加によるITER/BAへの貢献度を評価する組織(委員会)を作り,例えば論文の共著者の貢献度を数値化するなど,ITER/BAに直接関与しない者が判断できるようにする
  • ポスドク等の若手のポジションの増設や大学での機動性ある装置の増設を行い,大型装置と大学機関との連携(人,物,情報などの交流)を促進させる。
  • 原型装置の建設,運転のポスト。核融合技術の体系化と教育(大学)。
  • ITER関連の常勤ポストの確保が必要です。
  • 今後ITER/BAでは建設期〜立上げ期と長い年月が続くわけであり,実験システム構築・運用保守,あるいは実験環境整備・ユーザ支援などの部門を担当する(研究)者は,物理研究や実験に専ら従事する者よりも,明確に人事・処遇面で優遇すべきである.そうでないと実験開始後から参加して論文を書く人が,研究者として効率が良くなり,建設などの地味で論文も書きにくい辛い仕事に人材が集まらない.
  • 安定したポストと支援グループを用意する.
  • 文科省が,大学(学長,理事)に対して,ITER/BAでの研究を,国内より優れたキャリアと評価する様に指導する。採用において,国内の持ち上がりの人より海外での研究経験者をより高く評価するなど。
  • 帰還者を受け入れるために,研究機関のポストの流動化の促進ということが求められていますが,そのためはポスト自体がある程度潤沢にある必要があると思います。擬似的にもポストが潤沢にある状況を作り出す制度がもっと必要ではないでしょうか?

Lastupdate is 2007.3.16
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