2017年11月20日(月)13:00〜

PLASMA2017 A会場(2階大ホール)

PLASMA2017の開催にあたって 11月20日(月)13:00〜PLASMA2017 A会場(2階大ホール)でチュートリアル講演を行います。PLASMA2017に参加登録していただいた方は無料で聴講できます。

講演会終了後にウエルカム・レセプションを用意しておりますので,ぜひご参加ください。





13:00-14:00 テーマ:核融合研究の現状と今後の展開について
 
上田良夫/UEDA Yoshio(大阪大学)

講演要旨:核融合エネルギー開発は、ITER(イーター;国際熱核融合実験炉)プロジェクトに代表されるような国際協力と国内活動が連携して精力的に進められています。本チュートリアル講演では、核融合炉の基本的な構成と課題の整理、および核融合エネルギー研究の現状と今後の研究開発の見通しについて、最新のITER研究開発計画や、検討が進む原型炉アクションプランなどの紹介も含め、説明を行います。

14:00-15:00 テーマ:非線形性・非局所性に支配される核融合・プラズマ研究
 
岸本泰明/KISHIMOTO Yasuaki(京都大学)

講演要旨:燃焼プラズマの実現をめざして,近年,磁場方式ではITER(イーター;国際熱核融合実験炉)が、レーザー方式ではNIF(米国国立点火施設:National Ignition Facility,アメリカ) の研究が共に進展しています。また、高いベータ値や定常運転をめざしたプラズマ研究、高速点火方式に代表される高密度爆縮プラズマの高効率加熱研究、超高強度レーザーで生成される高エネルギー密度プラズマによる実験室宇宙物理研究などの応用研究も進展しています。
 これらのプラズマ研究進展の背景には、線形構造や局所ダイナミックスに基づくプラズマ概念から、非線形構造や非局所ダイナミックスに基づくプラズマ概念へのパラダイムシフトが重要な役割を果たしており、様々な応用研究においてもプラズマの非線形性や非局所性を積極的に利用する戦略が取られつつあります。このようなプラズマは、時空間スケールの異なる物理過程の相互作用や複合効果が主要な役割を演じる多階層・複合系として位置付けられ、自然現象の理解とも密接に関連しています。
 本講演では、これらプラズマの特性について、その理論的な背景や基礎、それらを第一原理方程式に基づいて計算機上で模擬するシミュレーション研究の現況などについて報告します。

15:30-17:30 テーマ:大気圧プラズマと触媒反応 
野崎 智洋/NOZAKI Tomohiro(東京工業大学)

講演要旨:非平衡プラズマで生成される活性種は低温で化学反応を生起するため,一種の触媒作用を有すると考えられ,近年はPlasma Catalysisと呼ばれる新領域の研究が活性化しています。とりわけ,非平衡プラズマを固体触媒に作用させると,低温における表面反応促進,活性化エネルギーを低下させる効果など画期的な現象が数多く報告されており,ナノカーボンの成長制御や炭化水素系分子の低温活性化など様々な分野で研究されています。プラズマの形成には電力消費を伴うため,エネルギー分野への応用は限定的と考えられてきましたが,再生可能エネルギーの急速な普及にともなって,電力(すなわちプラズマ)を使った化学反応制御が広く認識されるようになりました。本講演では,触媒化学分野で重要な反応の1つである安定分子(CH4, CO2, H2Oなど)の低温活性化および高速転換に焦点を絞って,大気圧プラズマによって誘起される触媒機能とその反応機構について,他の研究事例も紹介しながら解説します。さらに,エネルギー分野への応用として,バイオガスの水素リッチ化による高付加価値利用など,産業応用を指向した取組みについても概要を紹介します。

用語解説

  • ★大気圧プラズマ
    大気圧から1/10気圧程度の比較的高い圧力で形成される非平衡プラズマ。雰囲気圧力が高いために,絶縁破壊機構や電子エネルギー緩和時間などプラズマの特性パラメーターが従来のプラズマ(減圧下の非平衡プラズマおよび高温の熱プラズマ)の範疇から大きく外れたものを,第三のプラズマとして広義の大気圧プラズマと定義する。大気圧プラズマの多くは,電子温度と電子密度から計算されるデバイ長が1-100 mの範囲に収まる。
  • ★非平衡プラズマ
    プラズマが光学的に薄く放射の閉じ込めが完全でない時,電子速度分布がマクスウェル・ボルツマン分布でない時,原子・分子の内部励起状態がボルツマン分布則に従わない時,電子温度と気体温度が異なる時,など「非平衡」は種々の意味を持つが,一般に,電子温度 >> 気体温度の状態にあるプラズマを非平衡プラズマと称する。
  • ★活性種
    1つまたはそれ以上の不対電子を有するため反応活性が高い状態にある原子,分子およびイオンを指し,通常は気体または液体に存在する。不対電子を持たなくても,過酸化物のように化学的に不安定でフリーラジカルに分解しやすい化学種も含めることがある。プラズマ化学では,それ自体は化学的に変化しないが,励起エネルギーを他の物質に与えて化学反応を誘起または促進するポテンシャルを持った原子・分子(準安定励起状態に励起された希ガス,振動励起された分子など)も活性種の範疇に含めて議論することがある。
  • ★Plasma Catalysis
    プラズマを用いれば低温で原子・分子を活性化して熱化学的には対応できない化学反応を生起できる。このような反応促進効果を一種の触媒作用と捉えPlasma Catalysisと称する。定義はあいまいであるが,プラズマによって誘起される非熱的な反応促進作用を,熱化学反応(熱平衡)における触媒作用と区別する場合に用いる。
  • ★バイオガスの水素リッチ化
    有機物の発酵によって得られるバイオガス(主成分:CH4:CO2=6:4)の付加価値を高めるため,一部を水素に改質することを指す。改質後の水素濃度に関して具体的な数値は規定されていない。
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18:00-20:00
ウエルカム・レセプション

 B会場(2階大ホール2)に,飲み物とスナックをご用意しております。ぜひお立ち寄りください。

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お申し込み

・申し込みサイト;・こちらのページからご登録ください

・申し込み締切:11月17日(金)(但し,定員になり次第締め切ります)

・定員:200名

・参加費:PLASMA2017参加者は無料です。当日テキストを配布いたします。

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お問い合わせ:PLASMA2017事務局

名古屋市千種区内山3-1-1桜通内山ビル4F

プラズマ・核融合学会事務局内

Tel 052-735-3185

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[最終更新日:201710.27]