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核融合炉内外のトリチウム挙動把握と
トリチウム回収、計量、安全管理の高度化

最終更新日:2007.8.9



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    委員会
    日時:2007年9月7日(金)
    場所:核融合科学研究所管理棟4階大会議室


    平成18年度第3回委員会
    日時:2007年3月9日(金)11:00〜17:30 予定
    場所 核融合科学研究所 安全センター会議室(研究2期棟3階)


目的・内容

説明資料:


 ITERのフランスカダラッシュでの建設が決定し、核融合炉研究開発は大型実験炉の段階に進み、これまでの重水素プラズマ実験段階から、核燃焼プラズマ条件へと量・質ともに進歩が要求されている。実験成功のためには、必要量のトリチウムを準備し、核燃焼プラズマ条件をDT燃料供給下で成功させるとともに、安定な運転のため必要な重水素とトリチウムリサイクルを達成するため、トリチウム回収を達成させながら、安定な運転と環境への漏洩抑制を必要なレベル迄達成するとともに、環境安全の立場に則りトリチウムを十分に制御された条件でトリチウム計量、安全管理技術を構築する必要がある。法令に則るレベルで十分な安全を図りながら、これまでのg(数万Ci)オーダーのトリチウム取扱をμg(数mCi)以下の制御下でおこなう段階から、最終的にはkg(数千万Ci)オーダーの安全なトリチウム取扱へと格段に向上させることが要求されている。

 特に核融合炉内外のプラズマ対向機器、およびトリチウム増殖ブランケットとシステム構造材料等が、高濃度トリチウムに直接暴露され、十分な実験継続ができないほど大量のトリチウムが保持される可能姓が指摘されているとともに、取扱量拡大とともに保守運転時のトリチウム汚染と作業者の内部被曝拡大の恐れがある。またトリチウム回収システムに課せられた条件を将来の商業炉を見据えた形で達成するためには、現在の各種コンポーネントからの回収装置をより高度化する必要がある。さらに、トリチウムの使用量をこれまでのDDや一部DT実験のレベルとは桁違いに大量のトリチウムを長時間使用する必要があり、長期的な目標を核融合炉の発電実証に向けて、トリチウムの計量管理、トリチウム内部被曝の影響をより詳細に調べる必要がある。本専門委員会名の「核融合炉内外」とは、プラズマと直接対向する炉壁、トリチウム増殖固体や液体ブランケット、プラズマ排ガス、さらに多重閉じ込め系の実験建家とコンクリート壁内のトリチウム挙動、さらに環境トリチウム挙動までを含み、これらの分野に所属するトリチウムをキーワードにした研究者が定期的に集まり、研究を高精度化し、最終的に核融合炉システムにおける高いトリチウム回収率とシステムからのトリチウム漏洩を許容できる程度まで減少させることを目論んでいる。以上のことを踏まえて、研究調査専門委員会実施に当たっては、以下の点を中心に考慮する。

1) 核融合機器材料、核融合装置と施設、周辺環境におけるトリチウム挙動の把握
2) 核融合炉システム運転保守時の作業者の被曝と環境影響の低減
3) 核融合炉システム中のトリチウム回収装置の効率向上とインベントリ低減
4) トリチウム汚染拡大防止とトリチウム含有廃棄物の低減

予想される効果

 各種プラズマ対向機器材料、ブランケットに関わるトリチウム挙動、トリチウム安全性(トリチウムソースタームと計量管理)に関わる基礎データーを調査・収集し、データーベースとして整理し、広く核融合炉安全性に貢献する。さらに実験炉の建設運転における安全評価に活用されるとともに、実験炉のテストブランケットのトリチウム試験にも広く活用されることが期待される。

 核融合炉におけるトリチウムに関し最も重要なことはトリチウムの安全確実な閉じ込めであり、それを達成するための核融合炉内外におけるトリチウム回収技術の構築である。そのためには極微量成分までのトリチウム移行挙動を把握し、各種核融合炉構成材料とトリチウム移送配管あるいはトリチウムサイクル構成要素からのトリチウム回収法の確立および、汚染防止のためのトリチウム構成材料の除染とトリチウム含有廃棄物の除染技術を確立に寄与することができると考えられる。

主 査

深田 智(九州大学大学院工学研究院)

参加メンバー

幹事
山西敏彦 (日本原子力研究開発機構)
松山政夫 (富山大学)

委員
日野友明 (北海道大学)
田内 広 (茨城大学)
田中 知 (東京大学)
寺井隆幸 (東京大学)
奥野健二 (静岡大学)
大矢恭久 (静岡大学)
波多野雄治(富山大学)
山本一良 (名古屋大学)
杉山貴彦 (名古屋大学 )
宇田達彦 (核融合科学研究所)
野田信明 (核融合科学研究所)
相良明男 (核融合科学研究所)
朝倉大和 (核融合科学研究所)
西村清彦 (核融合科学研究所)
乗松孝好 (大阪大学)
高木郁二 (京都大学)
森山裕丈 (京都大学)
小松賢志 (京都大学)
田辺哲朗 (九州大学)
百島則幸 (九州大学)
橋爪健一 (九州大学)
宗像健三 (九州大学)
武田 洋 (放射線医学総合研究所)
林 巧  (日本原子力研究開発機構)
榎枝幹男 (日本原子力研究開発機構)
河村繕範 (日本原子力研究開発機構)
正木 圭 (日本原子力研究開発機構,)
安藤麻里子(日本原子力研究開発機構)
加藤 敬 (日揮株式会社産業プロジェクト本部)
平田慎吾 (川崎重工プラントビジネスセンター)

連絡先




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