Technology and Power Plants 

室賀健夫(核融合科学研究所)

update is 2001.1.24 17時

この区分に属する発表は,大きく以下の3つに分けられる.

(1) プラズマ試験装置の装置工学的な研究

(2) 炉材料,ブランケットなど長期的な炉工学研究

(3) 動力炉の設計,評価に関する研究

 本会議の特徴は(1)に関する発表が圧倒的に多かったことで,本会議が歴史的にプラズマ,炉心分野の発表が多数を占めていたことと関連があるのだろう.装置開発に関しては,KSTAR, HT-7U,JT‐60U,FTU,LHDなどの建設中,計画中,改造計画中あるいは現稼動中の装置を中心に,NBI,ジャイロトロンなどの加熱関連,ダイバータ,超伝導などの開発研究は報告された.ITERに関しては,上記研究開発に加え,トリチウム,崩壊熱や放射化など安全性に関る解析検討が報告された.KSTARは新しく建設されつつある建設装置なので関心が高かったのであろうが,Fusion Technology分野のOverview講演がこれ1件であったのは「核融合エネルギー」を標榜する会議としては疑問が残る.

 炉工学研究では,材料関連の発表は日本からのものが多く,低放射化フェライト鋼,バナジウム合金,SiC/SiC複合材料,PFC関連材料,セラミックス,オプティカルファイバー材料,IFMIF(強力中性子源)などがほぼ1件づつ報告された.世界の研究アクティビティーからみると大変もの足りないが,なんとかひととおりの分野の研究が報告されたという印象である.その他の先進的な研究としては液体壁,液体ダイバータの検討がMFE,IFEを問わず増加しているのが印象的であった.

 炉設計はヘリカル系,コンパクトトカマク系,定常炉や自己点火,IFE,核変換処理をめざした炉などが報告された.物理パラメータと一体になった検討が多いのが特徴であった.炉設計においては安全性や環境親和性などとともに経済性の観点からの検討が重要になっている.エネルギー需要分析,社会経済分析,環境動態分析などに基づき核融合炉の在り方を議論する発表が何件か見られた.

 なお,筆者の認識不足かもしれないが,炉工学,炉設計分野でIFEの比率が高くなっている印象を受けた.