第25回専門講習会
プログラム



時 間
題目/講演者/講演要旨

11:00-11:05

はじめに 安藤 晃(東北大学)

11:05-11:50

グリーン・イノベーションと最近のプラズマ技術について
浦島邦子(文部科学省)



現在わが国が推進している基本政策「日本再生戦略」では11の戦略を掲げている。そのひとつである、特にプラズマ技術に深く関与するグリーン・イノベーションの5つの重要施策について概要を解説する。その後、大気圧プラズマ技術を採用した空気清浄機や掃除機、エアコン、美容機器等が製品化されているが、そうした製品に適用されているプラズマ技術に関して俯瞰的にレビューし、解説する。

 

昼 食

13:10-13:55

住空間の防汚抗菌技術とプラズマへの期待
井須紀文((株)LIXIL)



これからのものづくりには、環境負荷の低減とユーザー価値の向上を同時に実現する「人と地球を考えたものつくり」が非常に重要であると考えている。日本での住宅のライフサイクルは約26年であり、トイレ等の耐久消費財は、製造時に加え、使用時のエネルギー消費を抑えることが環境負荷低減にとって重要である。本報告では、トイレの防汚抗菌技術とプラズマへの期待について述べる。

 

13:55-14:40

液相中の非平衡プラズマ誘起反応と応用
齋藤永宏(名古屋大学)



液中非平衡プラズマは、溶媒と溶質の選択により様々な反応を誘起、制御できる。水溶液から有機溶媒まで、各種溶媒中での反応について紹介するとともに、それら反応を用いた応用例を紹介する。

 

14:40-14:50

休 憩

14:50-15:35

オゾンおよび水中放電を利用した水処理技術
谷村泰宏(三菱電機(株))



プラズマを利用した水処理として、実用化されている大気圧非平衡プラズマである誘電体バリア放電を利用して製造したオゾンを用いた水処理について述べる。この中では、化学物質除去や殺菌等に対するオゾン処理の有効性を論じる。次に、オゾンよりも活性なOHラジカルを利用した水処理技術として、オゾンと過酸化水素も利用した促進酸化処理や、水中放電で生成したラジカルによる除菌処理等について述べる。

 

15:35-16:20

直接プラズマ方式による水処理技術と他方式との比較
安岡康一(東京工業大学)



液界面または液中で発生させる直接プラズマ方式は,様々な用途開発が進んでいるが、オゾン処理では不可能な液中の難分解有機物を分解する手法としても注目されている。この方式は、オゾンよりも酸化力が高いヒドロキシラジカルを簡単な装置構成で生成できるだけでなく、ヒドロキシラジカルでも分解できない有機フッ素化合物の分解も可能である。こうした特徴を述べると共に、従来方式と比較した利点と欠点とを示す。

 

16:20-17:05

気液分離型水中プラズマ生成とその環境・農業分野への応用
高木浩一(岩手大学)



 気液分離型水中プラズマ生成と、そのプラズマの環境分野や農業分野への応用について述べる。プラズマ生成では、短パルス化によるラジカル生成能の変化について、3つのタイプ(CES、MPC、IES)の電源を用い、パルス幅は、マイクロ秒からナノ秒の間で変えた。講演では、単体溶液での評価に加え、混合溶液の分解特性や、生物処理との組み合わせ、液肥栽培へ導入した際の、培地の菌数変化や、植物の成長速度に与える影響についても述べる。

 



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