10:15〜10:20 開会挨拶
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10:20〜11:10
レーザー・物質相互作用の基礎
村上 浩一(筑波大学大学院 電子・物理工学専攻(物理工学系))
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講演要旨:
レーザーアブレーションの基礎となるものは,パルスレーザー光と固体との相互作用,ならびに生成されたレーザープルームに関する研究である。これまで,レーザー照射された固体表面近傍で極短時間に起こる現象の時間的変化を追跡する研究が精力的に進められた。ここでは主にナノ秒(ns
=10-9
s)パルスのレーザー照射により起こる過渡的現象の基礎過程について説明する。固体の結合の違いや表面形態の違いにより,レーザーアブレーションの初期過程が異なることも多いので,特に半導体,特にシリコン(Si)結晶を念頭に置く。
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11:10〜12:00
レーザープラズマの基礎およびリソグラフィ加工用極端紫外光源への応用
西村 博明(大阪大学レーザーエネルギー学研究センター)
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講演要旨:
次世代半導体製造におけるキーテクノロジーとして13-14
nm帯域の極端紫外(EUV)光を用いるEUVリソグラフィ技術が注目され,これに必要なEUV光源開発が緊急課題として取り上げられている。平成15年度より開始された文部科学省リーディングプロジェクト「極端紫外(EUV)光源開発等の先進半導体製造技術の実用化」では,レーザープラズマEUV光源開発における理論実験データベースを構築しEUV放射とデブリ発生の物理の理解を深めるとともに,新ターゲットや高平均出力レーザーを開発し,システム開発の技術指針を与えることを目標として研究が進められている。講習会では,このようなEUV放射レーザープラズマの発生とエネルギー輸送の物理を考察し,そしてクリーンで高効率な光源を得るための技術指針について概説する。
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12:00〜13:00 昼 食
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13:00〜13:50
レーザープラズマを用いたナノ結晶創製の基礎と最前線
岡田 龍雄(九州大学)
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講演要旨:
レーザーアブレーションは,他の手法ではプラズマの生成が困難な環境でも,高温・高圧プラズマを容易に生成できるので,新材料創製の手段として大変魅力的である.ここではレーザーアブレーションを使ったナノ結晶の合成に焦点を当て,その基礎と最近の進展について述べる.まず,ナノ結晶合成の基礎となるアブレーションプラズマの特徴と,ナノ微粒子合成過程のダイナミックスについて述べる.続いて,ナノ結晶合成のための装置構成と作製例,最近の話題,およびナノ結晶の応用についても紹介する.
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13:50〜14:40
レーザー加工プロセスの基礎と最前線
杉岡 幸次(理化学研究所)
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講演要旨:
レーザー加工は低損傷かつ低温プロセスを実現するばかりか,自由度に富みナノスケールからマクロスケールの加工を実行可能なため,今日産業界でも広く利用されている。本講演ではまずレーザープロセスの特長,種類,加工解像度などを説明し,産業界において実用化されているレーザー加工の現状を紹介する。さらに最近の研究のトレンドや注目すべき研究・開発事例に関して解説を行うとともに,今後のレーザー加工の展望を議論する。
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14:40〜15:00 休 憩
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15:00〜15:50
レーザーを用いたナノ・バイオテクノロジー研究の基礎と最前線
細川陽一郎・増原 宏(大阪大学大学院工学研究科応用物理学専攻)
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講演要旨:
近年のバイオ分野において多光子顕微鏡の普及に伴い,フェムト秒レーザーに対する理解が急速に深まり,現在その発展としてフェムト秒レーザーを細胞や蛋白質などのナノ・マイクロレベルでの加工・操作に利用しようとする試みが注目されつつある。本講演ではレーザー,特にフェムト秒レーザーを顕微鏡下で生体試料に集光した時に誘起される諸現象と,それらを利用した単一レベルの細胞や蛋白質の加工・操作技術の最前線について解説する。
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15:50〜16:40
レーザー応用プラズマプロセス計測の基礎と最前線
佐々木 浩一(名古屋大学大学院工学研究科)
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講演要旨:
低温の反応性プラズマを用いた材料プロセッシングは,ナノテクノロジーの発展になくてはならない基盤技術である。プラズマプロセスが真の意味で工業的に有用なツールとなるためには,その内部状態の理解に基づく合理的なプロセス開発および生産現場における効率的なプロセス制御が必要であり,そのためのプラズマの計測・モニタリング技術が重要となる。本講演では,プラズマプロセスの計測法のうち特にレーザーを利用した計測・モニタリング技術に関して解説する。また,本講習会の主要テーマであるレーザーアブレーションプラズマのレーザー応用計測に関しても述べる。
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16:40〜16:45 閉会挨拶
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