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ナノチューブ・炭素新材料の合成と精製における最近の発展

最終更新:2006.4.17


 ナノチューブ,炭素新材料は,構造強化材,導電性材料,光電子材料,電池材料,電子エミッター,マイクロマシン材料,医療材料などへの応用の可能性が高いですが,高品質の材料を安価に大量合成する方法がキーポイントとなっています。

 この専門講習会では,「ナノチューブ・炭素新材料の合成と精製における最近の発展」つきまして,第一線で御活躍の研究者に御講演していただきます。ナノチューブ,炭素新材料に興味を持たれる研究者,技術者,学生の方々の知識をさらに深めるとともに,お互いの交流の場にもなると思います。

 プラズマ合成,CVD合成,光合成など,この分野に関心をお持ちの研究者,技術者,学生の方々には,大変役立つものと期待されますので,多くの方々のご参加をお願い申し上げます。

日 時

2005年11月24日(木) 午前10時10分〜午後5時

場 所

キャンパス・イノベーションセンター 2F,多目的室4
〒108-0023 東京都港区芝浦3-3-6 Tel. 03-5440-9020(受付)

申込方法

参加申込書(wordファイル)をプラズマ・核融合学会事務局宛にMail添付にて送信

申込期限

2005(平成17)年11月11日(金)

定 員

50名程度

参 加 費

参加費には消費税,及びテキスト代が含まれます

正会員(協賛学協会員を含む),賛助会員,学校・国立研究所の職員:15,750円
学 生:5,250円
会員外:21,000円
主 催

(社)プラズマ・核融合学会

協 賛

応用物理学会,電気学会,日本金属学会,日本原子力学会,日本工学会,日本物理学会,未来エネルギー研究協会,フラーレン・ナノチューブ研究会(依頼中を含みます)


10:10〜10:20

「主催者のあいさつ」三重野 哲 (静岡大学)

10:20〜11:50

丸山茂夫(東京大学)

「アルコールCVD法による単層カーボンナノチューブの合成」

   

アルコールを炭素源としたCVD法によって高純度の単層カーボンナノチューブが比較的低温で可能となった.石英やシリコン基板と垂直に配向した高純度単層カーボンナノチューブ膜の合成のように高効率と配列制御の合成の試み,および,近赤外蛍光分光によるカイラリティ分布の測定と狭いカイラリティ分布をめざしたナノチューブの合成の試みについて議論する.

11:50〜13:00

昼食・休憩

13:00〜13:45

安藤義則(名城大学)

「アーク放電法によるナノチューブ合成」

   

アーク放電法によるカーボンナノチューブ合成とカーボンナノチューブ発見の歴史について概観します。純粋な水素ガス雰囲気中で,純粋な黒鉛棒を直流アーク蒸発させることによって,陰極堆積物中に高結晶性で中まで詰まった多層カーボンナノチューブが作製できます。一方,水素と不活性ガスの混合ガス中で,Feのみを触媒とする黒鉛電極を用いて,アーク放電させることにより,単層カーボンナノチューブが巨大ネット状に作製できます。

13:45〜14:30

菅井俊樹(名古屋大学)

「2層ナノチューブの生成と精製」

   

カーボンナノチューブは金属微粒子と炭素物質との反応で生成する。我々は,この生成過程を時間制御できる高温パルスアーク放電法を独自に開発し,高い構造均一性を持つ2層ナノチューブ(DW)を生成・精製することに成功してきた。この精製はDWが単層ナノチューブ(SW)よりも遙かに高い耐酸化特性を持つことで可能となっている。装置の大型化とCNTの集合体をほぐす精製法により,より大量で純度の高いDWを生成,精製することに成功した。DWとSW酸化特性の違いの本質とDWの生成過程を議論する。

14:30〜15:15

矢島博文(東京理科大学)

「バイオ材料によるナノチューブ精製と応用」

   

ゼラチンをはじめ種々の生体高分子溶液中へカーボンナノチューブ(CNT)を分散させることで,穏和な条件下でCNTを精製する手法を確立した。本報では精製工程で重要なCNTの分散を中心に,界面活性剤と比較して,生体高分子によるCNTの分散特性を近赤外吸収・蛍光,およびRaman測定で評価し,それらの相互作用やカイラリティー分離について考察した。また,生体高分子とCNTのハイブリッド化によるバイオ材料の創製と特性について紹介する。

15:15〜15:25

休 憩

15:25〜16:05

滝川浩史(豊橋技術科学大学)

「カーボンナノホーン,ナノバルーン,およびナノコイルの合成」

   

黒鉛電極を原料としたアーク放電を用いて合成できる代表的なナノカーボン(フラーレン,カーボンナノチューブ,カーボンナノホーン)について,その合成法・条件を紹介するとともに,カーボンナノホーンを含むアーク煤からカーボンナノバルーンへの熱変形について概説する。また,触媒CVD法を用いたヘリカルカーボンナノファイバー(カーボンナノコイルおよびカーボンナノツイスト)の合成法・条件などについて紹介する。

16:05〜16:50

畠山力三(東北大学)

「機能性ナノチューブ誘導体の創製」

   

カーボンナノチューブ(CNT)に新たな機能を発現させるべく,他の物質との集合体が作られている。大別して,隣接するCNTの隙間に原子や分子を浸透させるインターカレーション,CNTの外周にポリマー等を巻き付けるラッピング,CNTの一部に官能基を導入し接ぎ木をするグラフト,CNT表面の炭素原子を他の原子で置換するヘテロ原子導入,CNTの内部中空領域に電荷移動性や磁性の原子,分子を注入する内包化,によって各々誘導体を創製している。