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「新しい産業を生み出すプラズマ技術」
 --トレンド技術の実用化のカギ--

最終更新:2006.5.19


 プラズマは,材料プロセス,材料創生,あるいは光源,ディスプレイなど様々な方面に応用され,ナノテクノロジーに代表される新しい産業を生み出す基盤技術として著しい進展を見せています.第14回専門講習会では,トレンド技術の実用化に至るカギはどこにあるのかを中心テーマとして,1.実用化を支えてきたプラズマの基礎,2.これまで実用化された産業応用のカギ,3.ナノテクノロジーなどのニュートレンドの実用化のカギについて,多方面の具体的な応用技術について講義していただくようプログラムを編成しました.

 プラズマ応用の新たなる展開を志しておられる研究者,技術者,学生の方々には,大変役立つものと期待されます.多くの方々のご参加をお願いし申し上げます.

日 時

2002年1月29日(火)9:300〜17:00

場 所

大阪大学レーザー核融合研究センター 研究棟4階 大ホール

申込方法

(1)参加申込書(PDFファイル)を事務局までfax(2)Subjectに「講習会参加希望」と明記して1. 参加者氏名2. 勤務先3. 所属(住所,Tel,Fax,E-mail)4. 会員種別(正会員,学生,非会員の別)5. 所属学協会名,
6. 参加費請求書の有無をE-mailで事務局宛 送信。

申込期限

2002年1月18日(金)

定 員

100名程度

参 加 費

参加費には消費税およびテキスト代が含まれます.・
正会員,賛助会員,学校・国立研究所の職員21,000円(協賛学協会員を含む)・学生5,250円・会員外31,500円

主 催

(社)プラズマ・核融合学会

協 賛

応用物理学会,電気学会,高温学会,照明学会,電子情報通信学会,日本機械学会,日本原子力学会,日本真空協会,日本物理学会,レーザー学会,化学工学会,日本分光学会(依頼中を含みます)

現地実行委員長;西原功修  大阪大学レーザー核融合研究センター,担当幹事:實野孝久 大阪大学レーザー核融合研究センター




時 間
題目と講演者・要旨(敬称略)
9:00
(5分)

開会挨拶   
 西原功修(大阪大学)

9:05*
(60分)
休憩5分

プラズマ中の活性種とその役割
 −PDP・プロセス応用を中心に−
 橘 邦英 (京都大学)
 

 一般に弱電離プラズマ中では,中性ラジカルや励起状態の原子・分子が,荷電粒子であるイオンや電子より大量に存在するため,それらが材料プロセスや光源・ディスプレイなどへのプラズマ応用において果たしている役割は極めて大きい.本講義では,中性ラジカルや励起原子・分子の診断法を概説し,それらの方法で得られた知見をもとに,各応用技術の目的に応じたプラズマ生成法や制御法のガイドラインについて述べる.

10:10
(60分)
休憩5分

プラズマCVDおよびプラズマエッチングによる
薄膜デバイス製造技術
 奥村 智洋(松下電器産業)

プラズマ,とくに低圧グロー放電プラズマは,そのユニークな性質を活かし,半導体や液晶をはじめとする薄膜デバイスの製造に利用されている.プラズマCVD技術は,熱プロセスと比べて低温でプロセス可能である点が,また,プラズマエッチング技術は,ウエットエッチングと比べて微細加工に優れている点が評価され,急速に応用が進み,いまや,プラズマプロセス抜きに薄膜デバイスの製造は考えられない.本講義では,プラズマCVDおよびプラズマエッチング技術のこれまでの成果を振り返りながら実用化のカギを探るとともに,最新のトピックスについても解説する.

11:15
(60分)

プラズマ技術によるカーボンナノチューブの合成と応用
平尾 孝 (大阪大学)

 近年ディジタル社会の発展とともに高精細,低消費電力な大面積フラットパネルディスプレイが要望され,PDPや液晶ディスプレイ等が開発されつつある.これらに対してCRTと同様な特性を有しつつ更に低消費電力化が期待できるFEDが注目され開発が進められている.このための高効率冷陰極電子源としてカーボンナノチューブをはじめとする炭素系材料が開発され一部実用化されつつある.本講演ではプラズマ技術を用いた炭素系材料特にカーボンナノチューブの合成とディスプレイやその他デバイスへの応用について述べる.

12:15
(60分)

昼 食

13:15
(25分)

レーザー核融合研究センター
激光XII号レーザー装置見学

13:40
(60分)

エキシマレーザーのリソグラフィ応用の最新動向について
溝口 計 (ギガフォトン)

近年のIT機器すなわち携帯電話,情報端末などの情報機器の急速な発達は半導体の高集積化を可能にする光リソグラフィ技術の進歩に支えられていると言っても過言ではない.現在,光の解像力の限界に挑む結像光学系の開発と並行して短波長高輝度光源の開発が進められている.水銀ランプを経て,現在KrFエキシマレーザーやArFエキシマレーザーを屈折光学系と組み合わせたDeepUV露光装置が量産ラインで2000台以上が稼動し半導体の生産が行われている.さらに次世代を睨んで反射屈折光学系とF2レーザーを組み合わせた露光装置が2003年末に,反射光学系と極端紫外(Extreme Ultra Violet)光を組み合わせた露光装置が2005年を目指し世界中でしのぎを削って開発されている.本講では,リソグラフィ用レーザーの市場と技術動向を紹介し,さらに最近注目されているF2レーザーおよびEUV光源開発の現状と展望について述べる.

14:45
(60分)
休憩5分

三次元プラズマイオン注入
行村 健 (同志社大学)

 プラズマイオン注入法ではプラズマ中に浸された三次元基材に直接,負の高電圧パルスが印加され,基材の周囲に形成されたイオンシースからイオンを高速で引き出す.基材に注入される.最近ではイオン注入のみでなく,薄膜の堆積も同時に行う複合プロセスも注目されている.時間的に進展するイオンシースの振る舞いが均一注入に大きく影響する.ハードウエアとしてはプラズマ源と高電圧パルス発生器が均一注入に重要な役割を果たす.プラズマイオン注入法の全般,ハードウエア,三次元基材へ適用例,課題について説明する.

15:50*
(60分)

核融合プラズマとプラナーマグネトロン
 和佐 清孝(横浜市立大学)

 プラナーマグネトロンスパッタリングは,半導体プロセスから大面積ガラスコートに到る,幅広い分野で実用されている.また,スパッタリングプロセスによるセラミックス薄膜には,原子レベルの焼結(atomic level sintering)により形成されるという特徴から,バルクセラミックスでは実現されない,新しい機能が得られるという,新材料・新デバイス創製の可能性が秘められている.このプラナーマグネトロンの原型は,著者が,60年代に核融合プラズマの研究中,フランスの核融合プラズマ装置をヒントにして提案したものである.本講座では,プラズマの基礎的な研究からプラズマの特徴を生かした応用と実用化についての課題と解決プロセスについて,著者の経験を基に体系的に説明する.

16:50

閉 会 挨 拶